
土井歯科
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再膨張性肺水腫について
再膨張性肺水腫(re-expansion pulmonary edema, RPE)は一旦虚脱した肺が外科的治療により再膨張した後に生じる肺水腫である.RPEは時に死に至る重 篤な状態であり,慎重な呼吸循環管理を要する.
・典型的には肺の虚脱は3⽇日以上、再膨張させた後 1時間以内におこる⾎管透過性亢進型肺⽔腫である
・胸⽔、気胸などによる虚脱肺の急速伸展に伴って生じる肺水腫
• 気胸、胸⽔以外には以下の原因の報告もある −巨⼤大肝嚢胞切除後、巨大縦隔腫瘍摘出後、胸膜剥離術後など
・いずれにしても虚脱肺が広がることがきっかけになる
・症候性RPE:(発症率0.2%)、無症候性:(発症率2.2%)
・気胸ドレナージ後のRPE47例 →83%が虚脱期間3⽇以上 • 64%が1時間以内に発症 • 全例で1⽇以内に発症 • 94%は病側のみ • 6%(3例)が対側も発症
・胸⽔ドレナージ後のRPE9例→• 全例が胸水による症状がでてきた。期間は4日以上 • 89%で穿刺後2時間以内に発症 • 除⽔の量は平均2483ml
・虚脱した肺の微小血管内皮が,虚血により産生された活性酸素や炎症性メディエーターによって障害される.
・そこに再膨張によって 血流が再開することで,肺血管透過性が亢進し肺間質 や肺胞腔内に水分が漏出すると考えられている.
・通常患側の肺全体に発生し,片側発症が圧倒的に多いが,両側発生の報告も散見される.
・発症頻度は,入院した自然気胸90例中2例という報告があったが 原因疾患は多岐にわたっており,全体の頻度は不明で ある.
・ RPE発症の危険因子としては,①肺虚脱が長時間におよぶこと,②虚脱の程度が著しいこと, ③再膨張過程が急激すぎることを挙げている.
・①に関しては虚脱時間が3日以上のものが86%を占めているという報告があり,虚脱時間3日以上,再膨張から5時間以内を要注意としている.
・しかし, 虚脱時間が短い症例でもRPEの発症の可能性はあり、1日以内に発症したRPE8例中3例が死亡したという報告もある.
・③に関してはドレナージ吸引圧の問題だけではなく,咳嗽による急激な胸腔内圧の上昇も 再膨張を加速させることとなり咳嗽がRPE発症のリスクと考えられる
・RPEの発症を回避するためには危険因子①,②を 有するケースでは水封にて徐々にドレナージを行うべ きである